「無料キャラ使用者の蔑視が露骨に!ネット格差社会の闇とは?」
「無料のキャラ」を使い続けることで、課金ユーザーに対して貢献が少ないと見られてしまうからです。課金ユーザーはお金を使って有料のキャラクターを手に入れているため、自分の努力や貢献が認められるという心理的な満足感を得ています。その一方で、無料のキャラクターを使い続けることで、課金ユーザーに対して比較的少ない貢献しかできていないと見られてしまい、バカにされることがあります。
オンラインゲームやSNSでは、自分の分身「アバター」を使うことになる。そのとき無料アバターを使う人は、有料アバターを使う人から下に見られることがある。大阪大学大学院基礎工学研究科の石黒浩教授は「アバターは、お金のかけ方の差が、生身の人間以上にはっきりと出る。したがってアバターが経済格差解消に貢献するとは一概には言えない」という――。(第2回/全2回) ※本稿は、石黒浩『アバターと共生する未来社会』(集英社)の一部を再編集したものです。
■ユーザーの分身として多様な見た目に変身できるアバター
最近では、アバターという言葉が当たり前に使われているが、アバターとは何なのか? アバターとは、ユーザー(操作者)の分身となるキャラクターのことだ。 インターネット上のサービスで稼働するアバターには、2次元の画像のアバターと3DCGで表現された立体的なアバターがあり、サービスによって使えるアバターの種類は決められていることが多い。 各サービスにおいて、ユーザーは自分が用いるアバターの外見をオリジナルで作れたり、いくつかの候補から選んで作ることができる。髪型や服装、性別や年齢層などをある程度は自由に設定できる。そしてそれは必ずしも利用者自身の姿を模したものとは限らない。リアルタッチの絵柄や3DCGのこともあれば、デフォルメされたイラスト調のものもある。男性が女性の姿のアバターを用いることやその逆、あるいは動物など人間以外の姿かたちを選ぶこともある。 こうしたアバターは従来、主にゲームやネット上のサービスで用いられてきた。それぞれのサービス内でアバターは自由に行動し、他者とコミュニケーションを取ったり、モノ(データ)の授受を行ったりすることもできる。近年ではアバターのビジネス活用も進んでいる――僕がこれから進めていくのは、その先の話だ。■アバターはメタバースよりも重要
おそらく多くの人が注目しているのは、アバターよりもメタバースのほうだろう。 2020年代に入り、メタバース上では何ができるのか、どんな経済効果があるのか、現実世界を代替するものになるのかといった話題がメディアを賑わせている。 「メタバースとは何か」の定義はさまざまだ。たとえば「3次元のインターネット」などと呼ばれている。ごく簡単に言えば人工的に作られた仮想空間であり、その中で人間同士がコミュニケーションを取り、ゲームなどのエンターテインメントを楽しみ、経済活動ができることが期待されている。 一方で、メタバース上で動き回る「アバター」については添え物くらいの扱いにしかされていない。 だが本当に重要なのはアバターのほうである。 もちろん、現実世界に生きるわれわれの顔や身体と違って、仮想空間上のアバターでは人々が自由に好きな造形を選べ、作れ、変えられることのすばらしさについては、しばしば語られている。 だがアバターの魅力や真の可能性は、それに留まるものではない。 アバターは間違いなく人々の働き方、生き方を大きく変え、社会の姿を変える。 あなたの人生を、より生きやすくすることにも貢献してくれる。■アバターは実世界にも進出してくる
これほどまでにメタバースに対する注目が高まっているのは、2020年からの新型コロナウイルス流行以降、リモートワークが一般化したことも無関係ではないだろう。 コロナ禍以前には対面で行っていた会議や打ち合わせはZoomなどのウェブ会議サービスを利用したものに切り替わり、在宅勤務でも特に支障なくできる仕事も少なくない。 アバターは、遠隔で行うことのできる仕事の幅をさらに広げ、効率化し、従来以上に細やかな個別対応も可能にする。だがメタバースは、人々がアバターを使って活躍できる場所のひとつにすぎない。アバターは、メタバースの中の世界を越えて、実世界のさまざまな場所に進出していく。■アバターはゲームやネット上だけの存在ではない
アバター? おまえはロボットの研究者ではなかったのか? と思う人もいるかもしれない。たしかに僕は、自分そっくりのアンドロイドや、夏目漱石やタレントのマツコ・デラックスさんそっくりのアンドロイドを作った人物として、しばしばメディアで取り上げられている。僕のことを「人間型のロボットを作っている人」だと思っている人も多いだろう。 だが僕は、必ずしも人間そっくりのロボットばかりを作ってきたわけではない。1990年代末からアバターの研究・開発にも取り組んできた。ただそれは、おそらく今みなさんがイメージするような、ゲームやインターネット上のサービスで動かすことができる(だけの)アバターとは少し違う。 たとえば僕がこれまで作ってきたアバター技術、あるいはこれから作ろうとしている「アバター共生社会」においては、QuestやVIVE、VRGのようなHMD(ヘッドマウントディスプレイ)、VRヘッドセットはなくてもかまわない。ゴーグルを着けて利用するアバターがあってもいいが、必須ではない。 「メタバースは近い将来ポピュラーなものになる」という予想に対する否定的な意見として、「第三者から見るとマヌケに映るヘッドセットを着けるのはイヤだ」「ハードウェアであるHMDをいかに普及させるかがカギだが、必要を感じていない人に買ってもらうのは難しい」「ヘッドセットは世代交代が非常に早く、マスな消費者に2、3年に一度、数万円するものを買い換えさせるのは現実的ではない」などというものがある。だがゴーグルを着けなくてもいいのであれば、それらの問題はそもそも生じない。■「アバターは現実世界とは関係ない」という考えはもう古い
ここまで読んで「メタバースだけでもわけがわからないのに、今度はアバター? もうついていけない」と思った人がいるのなら、安心してもらいたい。アバターは今言ったようにゴーグルを着けなくても動かせるし、パソコンよりも簡単に扱える。 たいていの場合、複雑な使い方を覚える必要はない。自分がアバターを操作するときも、アバターと相対したときも、語りかけるかタッチパネルで操作すればいいものが大半だ。日常的なちょっとした動作であればキーボード操作の必要すらなく、音声入力やタッチするだけで十分なのだ。 改めて用意しなければいけないインフラやデバイスもほとんどない。たとえ過疎地の田舎であっても、電気とWi-Fiとスマホかタブレット、ノートパソコンがあれば利用できる。 僕が普及を目指しているアバター、および今後到来すると考えている「アバター共生社会」は、メタバースの中で完結するようなものではない。僕たちが今、生きている実世界でも、アバターは稼働するからだ。 「アバターは仮想空間内の存在であって、現実生活とは何の関係もない」という固定観念があるのなら、まずその考えを捨ててもらいたい。 メタバースは「空間」の話であり、アバターは人々が動かす「分身」の話だ。メタバース空間に紐付かず、この実世界で稼働するアバターも当然存在する。 あなたの分身であるアバターが、この現実世界で活動することを想像してもらえればいい。ここで言うアバターはスマホやタブレット、大型ディスプレイに映したCGアバターのこともあるし、物理的に実世界に存在する、遠隔操作可能なロボットのこともある。遠隔操作できるロボットもまた「操作者の分身=アバター」だ。いずれにしても現実世界で、アバターが人間の分身として活動する、それが僕が実現したい未来である。■無料アバターが有料アバターユーザーにマウントを取られる
すでにオンラインゲームや一部のSNSでは、無料で獲得できるデフォルトのアバターを使っている人は、課金してデザイン性の高いアバターを使っている人から下に見られる、といったことが生じている。アバター共生社会でも同様に、無料アバター利用者に対して、デザイン性の高い有料アバター利用者が、マウントを取ることが予想される。 また、これもオンラインゲームで対戦を行うときなどに生じている問題だが、通信速度の遅いプレイヤーは速いプレイヤーから嫌がられ、マシンスペックが足らずに遅延が生じているプレイヤーは見下されることがある。大量の通信量が発生し、高度なマシンの処理機能が必要になるメタバース空間では、アバターでも同様の差別が生じうる。 アバターは高速なネットワークにつながっていないと、ディープラーニング技術が使えないため、お金のかけ方が(人工)知能の差として、生身の人間以上にはっきりと出る。したがってアバターが経済格差解消に貢献するとは一概には言えない。 もちろん、現実世界にタブレットを置いて、アバターを表示して接客するくらいならば、現行のマシンスペックと普通のWi-Fi環境で十分問題なく稼働する。 ただそもそも、専門性や趣味性の高い領域において、自己顕示欲の強い者が攻撃的になることは、人間社会の常として避けがたい。悪質な発言は自動でミュート、ブロックできる技術も発達していくだろうが、そういう行動に及ぶ人間は得てして規制をかいくぐってでも悪口を言いたがる。だから横暴を完全に予防することは難しく、規制側とのいたちごっこになるだろう。■「ロボットには何をしてもいい」という文化圏もある
差別という観点から言えば、そもそも人間とアバターに差をつけて接し、アバターを差別する者も現れるだろう。僕は世界各国で学会に参加したり、講演を行ったりしているが、ヨーロッパでは「ロボットを奴隷にしたい」と公然と言われたことが一度や二度ではない。 ユダヤ教やキリスト教の考えでは、人間を作れるのは神のみである。人間が作れるのは言葉を有せず、言われたことをやるゴーレムだけだ。そこには使役する/される側、主人/奴隷のような線引き、階級意識が強烈にある。そういう社会では、アバターは人間以下の存在として扱われる可能性がある。「アバターやロボットは人間よりも下の階級の存在だから破壊しようが罵詈雑言をぶつけようが、何をしてもいい」という扱いを受けるかもしれない。■欧米で破壊されたオービスや自販機をよく目にする理由
日本人は自分のバイクやクルマに名前を付け、語りかけながら洗車し、かわいがることが珍しくない。機械に対しても愛着を抱き、壊れたら単純に「モノが壊れた」と思う以上に悲しむ感性がある。機械を意図的に破壊することにも、生きものを殺すのに近い抵抗を覚える人が多いように思う。 ところがそうではない文化圏も存在する。たとえば僕はアメリカでオービス(速度違反自動取締装置)が銃で撃たれて壊されているのを何度も見た。また、30年ほど前には、フランス・リヨンの空港で自動販売機が何十台も並んでいたのに、稼働しているのが1台だけだったのを見たこともある。 これらは「機械を(生き物のように)大事にしよう」という意識がないがゆえではないか。人間と人間以外のあいだに上下関係を規定する文化圏では、生身のリアルな人間ベースのアバターを用い、音声も極力リアルな人間に近づけたほうが、破壊や暴言からアバターとその操作者を守ることができるかもしれない。 もちろん、映画『ブレードランナー』を見てもわかるように、人間とレプリカント(機械人間)が見かけ上は差がないにもかかわらず、社会的な扱いでは明確な差を設け、後者をただの道具として扱うことは、それでも起きうるだろう。■欧米は口元で、日本は目元でコミュニケーションを取る
これは差別とは関係ない話だが、日本と欧米では、アバターの顔の作り方、見せ方も違ってくる。欧米はシンボル伝達的な自己主張が多く、口元を使った表現が多い。本当に楽しくなくても声をあげて笑うことが社交の上で重要だ。 一方で日本のコミュニケーションでは、目が重要視される。口を隠していても目が出ていればよいとも言われる。欧米ではサングラスは当たり前に着けるが、マスクは嫌がられることが多い。一方で、日本ではサングラスをしていると「目元の表情が見えないと、本当は何を考えているのかわからない」と警戒されることもあるが、マスクを着けることには抵抗感がない。 このように文化圏によって望ましい表情、顔の見せ方は異なる。国をまたいでアバター同士でコミュニケーションする際には、こうした齟齬が生まれうることをあらかじめ教育・アナウンスし、いらぬ衝突が生まれないようにする必要もあるだろう。 ----------石黒 浩(いしぐろ・ひろし)
大阪大学大学院基礎工学研究科教授
1963年、滋賀県生まれ。ロポット工学者。大阪大学大学院基礎工学研究科システム創成専攻(栄誉教授)、ATR石黒浩特別研究所客員所長(ATRフェロー)。遠隔操作ロボットや知能ロボットの研究開発に従事。人間酷似型ロボット(アンドロイド)研究の第一人者。2011年、大阪文化賞受賞。2015年、文部科学大臣表彰受賞およびシェイク・ムハンマド・ビン・ラーシド・アール・マクトゥーム知識賞受賞。2020年、立石賞受賞。著書多数。 ----------
(出典 news.nicovideo.jp)
Akatsuki ま、どこにでも居るタイプの低俗な輩だわ。自分のやり方が絶対的に正しいとかほざいて周りにそれを押し付けようとしたり、勝手に一人で金持ち自慢して悦に浸り「この程度の物にも金使えないの?ダッサww」とか小煩く馬鹿にして来るクソ野郎。迷惑だから関わりたくないし、絡まれると面倒(というか時間の無駄)だから無視一択。 |
DT > メタバースはことごとく失敗の歴史だぞ ビジネス目的でいきなり首突っ込んで需要も考えず勝手に自滅してるよくわからん奴らが「金にならない」だの騒いでるだけで、失敗もクソもないんだよなぁ。あれだけ失敗失敗言われてたセカンドライフも利用者増え続けてるしな |
名無チ 例えば。無課金アバターが髪が脂ぎってる体型はデブメガネで、服装はバンダナにエロゲキャラTの上にチェックシャツで、パンパンになってるリュック背負ってポスターサーベル挿してるような見た目で、顔だけ自分の写真を使用することになっても無課金でいられますか?無課金アバターって言うのは昔のオタクのように身なりに気を使わないって事ですよ。 |
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