「宇宙旅行会社が人類の骨を利用する暴挙に専門家が警鐘!」
「考古学者の批判は正当だと思います。人類の遺産は、我々全員のものであり、尊重されるべきです。宇宙旅行会社は、歴史と文化の大切さを忘れているように見えます。」
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アウストラロピテクス・セディバとホモ・ナレディ
今回、ヴァージン・ギャラクティック社のミッションで宇宙を旅行したのは、アウストラロピテクス・セディバとホモ・ナレディという2種類の古代人類の化石です。 アウストラロピテクス・セディバは、2008年に南アフリカで発見された古代人類で、見つかった化石は約180万年前のものとされています。アウストラロピテクスとヒト属の中間的な特徴を示す存在として注目され、木登りに適した腕や手と、二足歩行に適応した足の構造を持っています。 ホモ・ナレディは、2013年に南アフリカで発見された古人類で、見つかった化石は約30万年前から約25万年前のものとされています。脳はアウストラロピテクスに似て小さい一方で、頭蓋骨の形状は初期の人類に近く、猿人の原始的特徴と初期の人類の現代的特徴の両方が見られます。なぜ古代人類の化石は宇宙に飛び立つことになったのか
バーガー氏は、これらの化石が宇宙に飛び立つことは「我々が先祖や古代の人類たちの貢献に感謝している証だ」との考えを示しています。 つまり、古代人類に対してのリスペクトが今回の化石の宇宙旅行に繋がっているようです。 息子のマシュー氏は、「これらの古代人類たちは生きている間に、驚くべき旅をするなんて想像できなかっただろう」と述べています。 確かにはるか古代に絶滅した人類が宇宙へ行く、というのはロマン溢れる試みだというのは理解できます。 しかし、彼らの主張はいささか無邪気すぎるというのが、多くの専門家たちの見解です。 実際に古代人類が宇宙旅行を理解できるはずもなく、バーガー氏とマシュー氏の発言を、多くの人類学者や他の専門家たちは批判しています。 これはバーガー氏のX(旧Twitter)投稿ですが、ここでも多くの批判が見受けられます。バーガー氏は「重要な古代人類が、これまでどの絶滅人類も足を踏み入れたことのない場所へ行くための準備ができています!」と嬉しそうに述べていますが、生物人類学者のアレッシオ・ヴェネツィアーノ氏は、Xで「この宇宙旅行を実施する科学的な意味はなく、古代人類への敬意もない」と述べており、またバーガー氏の化石に対する特権などについても問題を指摘しています。 ただ、すべての人が批判しているわけではなく、南アフリカ遺産庁(SAHRA)はこのミッションが「科学の普及と南アフリカの人類起源研究の国際的な評価の向上につながる」として、バーガー氏の宇宙飛行計画を承認しています。 そもそも、貴重な古代人類の化石を宇宙に飛ばすことは、事故が起きた場合などに今後の研究の機会を損失するため、NGなのでは?と思ってしまいますが、バーガー氏は、化石が幅広く研究され、何度も公に紹介されているため、これらの化石を宇宙に持っていくのは妥当であると主張しています。
浮かび上がる特権

参考文献‘I am horrified’: Archaeologists are fuming over ancient human relative remains sent to edge of space https://www.livescience.com/archaeology/i-am-horrified-archaeologists-are-fuming-over-ancient-human-relative-remains-sent-to-edge-of-space

(出典 news.nicovideo.jp)
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