「ゲーム依存の脳内科医による見解:脳に与える影響は?」
ゲーム依存については、脳内科医の見解も分かれているようですね。中には、ゲームが脳を活性化させることで、認知機能や集中力を向上させる効果もあるという意見もありますね。
本記事は『一生成長する大人脳』より一部抜粋したものです。
◆「ゲーム脳」の何が問題なのか
コロナ禍でオンライン授業になったり、テレワークになったりして、家にいる時間が長くなり、スマホやタブレットでゲームをする時間が格段に増えた、という人も多いでしょう。
ゲームをするときは、目を凝らして画面を見て両手を動かしますので、視覚系脳番地と理解系脳番地の一部と手が使われます。そのため、目や手を同時に使うことがめったにない、という人にとってゲームは脳へのいい刺激になるでしょう。
しかし、ゲームへの過度な依存は、その程度のメリットでは補えないほど、脳の成長に悪い影響を与えます。その理由はおもに、次のような点です。
・ゲーム依存の人では、限定的な脳番地しか使っていないことがほとんど。
・依存性により、ほかのことをするための脳の活動時間が削られてしまう。
・画面と目の距離が近く、眼球が固定されて、動かさない。
・猫背で座りっぱなしで、下半身に対する注意が乏しくなる。
・体を動かさないため、抗重力筋が弱くなり覇気が乏しくなる。
・自己認知が乏しくなり、自分の身体への意識が薄くなる。
姿勢が悪くなるとか、運動不足・寝不足になるといった悪影響はあえて説明する必要はないでしょう。重要なのは「限定的な脳番地しか使わない」ということ、そして、「依存性がある」ということです。
ゲームをしているときも、脳は使われています。しかし、使われる場所は極めて限定的です。どれほど、ゲームのつくりが複雑であったとしても、やっていることは「プログラミングされた仕組みを動かす」という単純操作であることに変わりはありません。
目を使ってはいるものの、スマホの場合なら約100平方センチメートルほどの小さな画面と目の距離が近いため、眼球運動はほとんど起こりません。むしろ、ゲーム中は眼球を固定して画面を凝視するため、ゲーム後に、文字や周囲を注視する力が残りません。ゲーム依存になると、ゲーム中に注視力を使い果たし、ゲームをしていない間は注視力が散漫になるという悪循環が形成されます。
眼球を動かす筋肉が鍛えられると、自ずと視覚系脳番地の情報処理が進み、運動系脳番地との連携が進むのですが、ゲーム依存による悪循環に陥ることで、眼球を動かす前頭葉の視覚系脳番地の強化は望めません。
もちろん、座りっぱなしで体を動かさないので、運動系番地への刺激はほとんどなし。8つの脳番地すべてをある程度使いこなしてないと、脳の働きは弱まります。
◆騙されている「ゲーム脳」
ゲームばかりしているとゲームをしていない時間も脳と行動が支配され、間違いなく脳番地の成長が阻害されます。加えて、ゲームは視覚系ワーキングメモリを著しく使うので、脳の一部しか使われなくとも、実感として脳疲労を感じやすくなります。
本来、使っていない大部分の脳番地は脳疲労を起こしていないのに、脳の一部が激しく使われると、疲労実感と実際の脳疲労との間に大きなズレが生まれます。すなわち、ゲーム依存の人は、自分の脳に騙されやすいということ。ゲームに勝っても自分の脳に負けるという滑稽な現象が起こるのです。
また、ゲームは基本的にパターン化されています。前頭葉を使った判断機能もパターン化して慣れてしまうため、あまり使われなくなります。情報量が多いように見えて、脳の処理機能にとってはそれほど新鮮な刺激ではありません。
ゲームの内容にもよりますが、「ゲームをやりたい!やりたい!」と興奮しているのに、新鮮な情報の刺激はなく、情報を集めているというよりも、コントローラーボタンを押して情報を処理しているだけなのです。情報操作をしているのに脳の成長が限定的で、むしろ、ゲームで使わない脳番地に成長させない抑制をかけている。それがゲーム依存なのです。
ここまで読んで、「やっぱり、子どものゲームもほどほどにさせないと」と思ったかもしれませんが、これはゲームに限りません。電車の中、食事をしながら、歩きながらなど、片時もスマホを手放せない人がいます。こうした人もゲーム依存と同じ状態です。SNSを見続け、ネットの世界を放浪してばかりいると、脳の覚醒は確実に落ちます。
◆ゲームがやめられない理由
ゲームの大きな問題は、依存性が高く、やめることができなくなるという点です。
どれほど言っても、子どもがゲームをやめないと悩んでいる親御さんは多いと思います。また、そう言っている親のほうも、寝る前のスマホ依存がやめられず、気づくと数時間……という人もいるのではないでしょうか。実際に、「ゲームにハマりだしてから、時間が短く感じる」と訴える人がいます。
「卵が先かにわとりが先か」の議論になりますが、じつは、ゲームやスマホを手にとりたくなるのは、脳の働きが低下しているからです。
脳の活性が落ちているためにゲームやスマホを手にしたくなり、やめられなくなって脳がさらに活性を落とすという負のスパイラルに陥っているのです。夜中に ポテトチップスやナッツを食べ始めて、気がつくと袋が空っぽという経験はありませんか? そのときと脳の状態は同じ。
脳の働きが落ちているのに、どうしてやめられないのかというと、脳は一度、報酬を与えられるとそれを記憶して、パターン化する特徴があるからです。
◆パターン化の繰り返しで脳は成長しない
脳が完全に眠っていれば、記憶した報酬欲求が目覚めることはありません。しかし、日中でも夜間でも、目が開いているとき、人は自分の脳が働かず何もしないでいることに苦痛を覚えるのです。つまらない学校の授業をじっと聞いていたことがある人は、そのときの苦痛を思い出してみてください。「早く終わらないかな」「もう教室から出たい」という気持ちになります。
こうした苦痛こそ、私たちが、スマホやゲームに手を伸ばしてしまう大きな動機なのです。起きているときは、誰しも脳が働かない苦痛から解放されたいのです。
脳は、楽しいときに、活発に働いています。 脳は「楽しい」を感じると、それを繰り返そうという性質があります。ゲームの楽しさ、あるいは、SNSや動画サイトで次々に繰り出される情報の楽しさを求め、習慣化してしまうのです。
しかも、脳は一度パターン化すると、そのサイクルを止めにくくなります。パターンを繰り返せば繰り返すほど脳は楽になっていくので、そのループから逃れるのが難しくなるのです。
もちろん、繰り返し経験をすることは脳の成長につながる面もあります。しかし、ゲームは繰り返しても、さほど脳を成長させません。成長するのはせいぜい、ゲームをクリアするうえでのスキルだけ。
ゲームやスマホによって、ほかの日常生活の時間が削られ、本来、脳を育てるために使うべき活動時間が極端に減ってしまう。それが問題なのです。
◆読書は問題ないのか?
「読書だって手元の本を見て、体を動かしていない。どうして、スマホやゲームばかりが悪者になるんだ?」と言う人がいるかもしれません。しかし、スマホと読書では、脳の中の活性はまるで異なります。
本を読み、言葉の意味や文章の内容を理解しようとするとき、理解系脳番地が刺激されます。本の内容を理解して考えをまとめようとすれば、理解系と思考系との連携が強まります。文章を脳の中で音として流しながら読み進めるタイプの人は聴覚系脳番地を使っています。
また、長編ファンタジーなどを読んでいて、いったん、本を読むのを中断しなくてはならない、ということはあるでしょう。本から離れている間も、
「絶体絶命のピンチをどうやって切り抜けるのだろう?」
「なぜ、敵だと思っていたあのキャラは主人公を助けたんだ?」
そんなことを考えていると、右脳の理解系脳番地が働きますし、記憶系脳番地も強化されます。「本を読む」という行為は、文字の情報をインプットし、想像力を働かせ、記憶し考えるなど、さまざまな脳番地が使われるのです。
◆依存するかが大きな違い
そして、ゲームと読書のもっとも大きな違いは依存という点でしょう。
「活字中毒」という言葉もありますし、「続きが気になって本を読むのをやめられない!」ということもあるでしょう。しかし、連日連夜、寝食を忘れるほどに本を読み続け、学校や仕事に行けなくなったという話はあまり聞きません。
ゲームを一切するなとは言いません。しかし、ゲームをしない時間を意図的につくり、違う脳のネットワークを使うことを意識すべきです。つまり、スマホやゲームをしない時間を積極的にコントロールする必要があるのです。
ゲームをやめられず不登校になり、食事の時間すら惜しみ、ゲームをとりあげようとすると烈火の如く怒り暴れる小学生。
頑張って勉強して難関大学に入ったのに、ゲームにハマって留年してしまった大学生。
私のクリニックには、ゲーム依存に悩んで来院する人は少なくありません。彼/彼女たちの脳を見るたびに、脳の成長への影響の大きさを感じます。

(出典 news.nicovideo.jp)
![]() | ししゃも@燃やしと生年月日格論 RAIDは100人区切りのグループで3日〜5日のトーナメントを頻繁に開催することで「勝者」をたくさん生み出している。つまり成功体験をできるだけ多くのユーザーに提供するという設計思想がある。これが戦勝国のやり方。一方、シャドバは1か月に及ぶランキングシステムで最初から働く社会人とかを競争から疎外して弱者に偽りの高揚感を与え日ノ本を堕落に導いている |
![]() | ゲスト 何事も依存症や中毒状態は良くない。それにさえ反論する先鋭的なゲーム好きは滅多にいるまい。が、「ゲームをすれば必然的不可避的に、あるいは誰もが高確率で依存症や中毒の状態に陥るという悪魔化のロジックは非科学的である」と、あれだけ散々フルボッコ論破されたのに、まだ恥知らずにゲーム脳という言葉を使う人間は、もはや「ゲーム脳脳」なのではないだろうか? ボブは訝しんだ |
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