圧倒的な才能と苦悩の葛藤。IQ150越えのギフテッド男性が振り返る社会生活の地獄

社会に出てからの地獄のような経験をされた方の話を聞くと、ギフテッドの方々の支援や理解がまだまだ不十分なのだと感じます。もっと個別のニーズに合わせた支援が必要だと思います。

「全国模試の順位は一桁。ピアノも耳コピしていた」小学校のIQテストで異例の数字を…IQ150越えの男性が語る、幼少期に感じた周囲との違い から続く 「授かる」という意味の英語「Gift」が語源の「ギフテッド」は、先天的に高い知性や共感的理解、倫理観などを持っている人のことを指す。そんなギフテッドとして実情を発信するのは民間企業勤務の吉沢拓さん(37)。  幼少期から周りと違うことに悩み、社会に出てからは3度の休職を経験し、周囲に理解されない自分に苦しんでいたそう。吉沢さんにギフテッドの特性や休職した経緯などについて話を聞いた。(全2回の2回目/最初から読む) ◆◆◆ 上司からめんどくさいやつに認定される ーー前回のインタビューで、「社会人になってからが地獄の始まりだった」とおっしゃっていましたが、具体的にどのような状況だったのでしょうか。 吉沢 入社時の集合研修では、最後に行われたチームでのシステム開発演習でリーダーとして最優秀として表彰されたんです。周りからも「すごいね」と評価してもらってやっていけそうだなと思っていたんですが、現場に配属された後、上司の考えや発言が純粋に理解できず、上司と衝突することがあって。  小学校の時にもあったように、「なぜこうなの?」「こっちのやり方の方が上手くいくのに、なぜやらないの?」と思った時に、納得できる答えがないと先に進めないんです。それで上司に聞くんですけど、上司からはめんどくさいやつ認定されてしまって。その噂が社内に広まっていったようで、コミュニケーションが取りづらい状況になってしまいました。 「頭が悪いんだな、俺は」って自分を責めてしまっていましたね。周りも、この人頭だけはいいんだけど……みたいな感じで。 心身共に体調を崩して休職することに ーー優秀だという評価がある一方で、めんどくさいと思われてしまうこともあったと。 吉沢 異例のありがたい評価を受けることもあれば、全否定されるような評価を受けることもありました。ただ不思議なことに、褒められる時と嫌われる時の評価は、同じ人間の評価とは思えないくらい真逆なんです。  問題児扱いされることもあれば、「理解が早く共感性に長ける」と言われ信頼していただけることもあって、びっくりするぐらい正反対です。以前の職場で休職に入る際に、その過程の出来事を聞いた執行役員や人事部門の人から、「君のような人が会社に必要だ」と言われたこともありました。  そういうことも重なって、心身共に体調を崩して何度か休職することになりました。人が怒られているのを見ているだけで苦しくなってしまうんです。他の人よりも感受性が豊かなので、すぐ感情的になってしまうんですよね。人前でいきなり泣き始めたりすることもあって。  精神科医にはうつ状態と診断され、薬を服用していましたが、一向に改善することはなくて。復職することなく、そのまま転職しました。ただ転職先でも上手くいかず、再びコンディションが悪くなってしまい、休職することになります。 医師から「人格障害だ」と… ーーその後も精神科へは通い続けていたのでしょうか。 吉沢 薬を飲んでも回復せず、投薬量が増加していました。休職した際の担当の産業医から「人格障害だ」と言われて。それをかかりつけ医に伝えると、その産業医が人格障害について著書を出版するほどの先生だったこともあって、「あの先生が言うなら」とそれになびくように意見が変わり、精神病院への入院も勧められました。  ただ、自分自身は納得ができず、外部の心理検査を受診して。当時は希死念慮などもあったので、そのことも指摘されたんですが、発達障害などは見られず、IQが高いことが判明しました。ただ、この時はギフテッドという概念にはたどり着かなかったので、自分の生きづらさの理由はわからずじまいでした。その後、また転職することになります。 人間関係の衝突で3度目の休職 ーー3社目への転職ですね。転職先ではいかがでしたか。 吉沢 データという客観的なものに自分を収めて行動すればそれを補うことができると考えて、人事データ分析の職務をすることになりました。ただ、そこでも大きな壁に当たってしまって。  “多様性を尊重する”、”公正である”という企業理念の会社だったので、ここでとにかく真っ直ぐに筋や道理を通そうと思っていたんですが、上司や同僚よりも物事を広く考え、数手先まで考えて仕事をしてしまい、無駄な仕事を省いたり、指摘しなくてもいい間違いを追及してしまって。その結果、軋轢が生じてしまいました。  他の同僚から、あなたが上司や同僚と衝突するのは迷惑だと言われることもありましたね。  ここでもまた、評価される部分はある一方で、人間関係で衝突することも多く、うまくいきませんでした。そして3度目の休職をすることになります。 遺書を残し、自殺未遂を図った ーーその休職期間中に「ギフテッド」という言葉を知ったんですよね。 吉沢 そうです。3社目でもうまくいかないなら、もう周りと違う自分が去るしかない、自分が世の中と違うとするなら、この世から去るしかないと、24時間突き詰めて考えるようになってしまって。  それまで上司と衝突しても、自分で真っ当と思う生き方を守ってきました。ただ、自分の限界が来てしまい、このままでは人を恨んで死ぬことになると思ってしまって。それだけは絶対に避けたかったんです。だから遺書に感謝の言葉だけを書いて自殺を図りました。  死にきれなかったことで、今度は自分自身を全て知るために、改めて心理検査を受けてみようと思って。そこでもIQ数値は138と高かったんですが、結果として「あなたは目がいいから本質を考える能力に欠けている、周りとうまくいってない」と言われて。  その結果に納得できず、インターネットで調べる中でギフテッドという概念に出会いました。それからギフテッドについて専門知識のある医師(東大大学院寄付講座の池澤聰先生)のもとに転院しました。その後、受けたハイレンジIQテストCAMSでは、152.5とやはり高い数値が出て。これまでの生きづらさの原因はこの特性だったんだと気づきました。 ギフテッドは“伸ばそう”という姿勢が逆効果だったりする ーーギフテッドという特性を知ってから心境の変化はありましたか。 吉沢 特性なので、治療方法があるわけではないですが、これがデフォルトの状態なんだと知ることができたのは良かったです。これまで出会ったきた精神科医の話を聞いていると、生きづらいということは何かが足りていないに違いないと思ってしまうようなのですが、逆に人よりも情報量や考える範囲が大きいことでも生きづらさを感じることがあると知りました。 ーーその後、吉沢さんは4社目への転職をされましたが、その会社での働き方はいかがでしたか。 吉沢 面接の時に、これまでの経験やギフテッドの特性について話して自分自身を理解してもらえるように努めました。最終面接では人事のトップから、ギフテッドという概念も認識していると伝えられ、ここなら自分の居場所を作れそうと思い、入社を決断しました。   上司には自分の取り扱い説明書を渡して理解していただいたことで、関係部署と信頼関係を構築しながら成果を出すことができました。会社はD&I(企業で働く人材が性別、国籍、年齢にかかわらず尊重され、個人の能力を発揮している状態)に力を入れており、そのモデルケースとなれるように成果創出に努めた結果、社内の成果評価では数少ないマックスの評価をいただき、外部の人事データ分析のコンペで優秀賞を取りました。環境を変えたことで自分の能力を発揮できたというポジティブな例だと思います。 ーーギフテッドにとって環境は非常に大切だということですね。 吉沢 よくギフテッドの話をする時に時速で例えるんですが、「300km/hの車では公道をうまく走れない」と悩んでる人に、「じゃあ時速が400km/h出るようにしてあげよう」とはならないですよね。「天才なんだからもっと才能を伸ばしなよ」って言われることもありますが、そのまま社会に出てしまうと事故が起きてしまうんです。  なので僕たちギフテッドは、300km/hを出しても平気な高速道路を必要としているんです。当事者が必要としているのは安全、社会が必要としているのは能力。むしろ、守られれば勝手に伸びるので、「伸ばそう」という社会の姿勢が逆効果だったりするんです。思いっきり走れる高速道路を用意してもらえれば勝手にアクセルを踏みます。 ーーそういう意味では、吉沢さんの場合は子どもの頃は高速道路を走らせてもらっていたということでしょうか。 吉沢 そうです。外部の塾に通わせてもらったり、インターネットの世界に没頭したりと、本当に自由にやっていましたね。だからこそ、社会に出てからがすごく大変で。社会では、公道でみんなと歩幅を合わせて走らなければいけなかったので。  ギフテッドは、教育を抜けたら勝ち、教育をくぐり抜ければ社会で活躍できると思われがちなんですけど、教育も社会も同じ仕組みなのでそんなことないんですよね。  一番危ないのは、子どもの頃に無制限に才能を伸ばしてしまって、そのまま社会に出てしまうことです。500km/hで公道に突っ込んでいったらそりゃ大変なことになりますよね。 どちらが優秀とかではなく、お互いに役割分担がある ーーギフテッドが能力を自由に発揮できる場を選ぶ・作ることが大事であり、「無理に公道を走る必要はない」と吉沢さんは考えてこられたということですよね。 吉沢 そうです。それは教育においては自学の場であり、社会においては権限委譲です。そしてもう一つ重要なことが、「自分は周りと違っていてもいい」という感覚を育てることです。自分と周りは違うけど、だからこそ自分ならではのできることもあるし、お互いの立場で還元しあえると思うので。  そして自分と周りは違うから、「周りにとってよい環境が自分にとってよい環境とは限らない」ということを理解し、勇気を持って周りと違う道を選び、自分にとっての高速道路にたどり着くことが重要だと思います。 ーー能力が高いか低いかではなく、周りと違うのが当たり前だと考えることが、ギフテッドにとっても社会にとっても大切だと。 吉沢 ギフテッドって血圧だと思っているんです。高血圧でも低血圧でも体に不調をきたしてしまう。  時速60km/hの車と時速300km/hの車は、どちらの方が優秀なのかって考えた時に、「鈴鹿サーキットだったら」って前提がつけば後者の方が良いかもしれないですが、買い物に行くのには前者の方が使い勝手がいいですよね。  私自身はみんなに自分を受け入れてほしいと願う立場なのに、自分自身は周囲を受け入れようとはしないというのは自分がありたい姿ではないんです。自分を拒む相手を恨みたくなる時もありましたが、優劣で考えたら終わりだと思っています。どちらが優秀とかではなく、それぞれに役割分担があるんだと思っています。 写真=松本輝一/文藝春秋(「文春オンライン」編集部)
吉沢拓さん 


(出典 news.nicovideo.jp)

ASFASFASFA

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どうやってギフテッド認定されたの?

モッチー2643

モッチー2643

IQ検査は元々、知的障害者を早期に発見してフォロー体制を築くために考案されたものらしい。

ヤマダ

ヤマダ

タイトルだけ見て。IQ高いだけの社会不適合者は掃いて捨てるほどいるよ。

CMRY

CMRY

これ、よくある話なんだけど大体思い込みだよ。6歳児が9歳並みの知能があるとそれでIQ150だ。子供の頃のIQというのはそのくらい当てにならない。・・・内心誇りにするくらいは良いけどね。

200

200

ギフテッドとタイトルについた児童書が発売延期になったニュースがバズってるから昔没にした記事でも引っ張り出してきたのかな これこそ不謹慎じゃないか

もっぷ

もっぷ

ギフテッド調べたら勘違いや自称のケースもあるらしく正式に測定してないんなら自称の方なんじゃ??

ゲスト

ゲスト

ギフテッドって自閉傾向や発達障害を言い換えたやつでしたっけ。

miss

miss

一応記事内で名前出してるね検査してくれた精神科の人ただまぁ、正しいかとうまく回るかは別の話だから妥協は重要

ゲスト

ゲスト

37で結果残してなくてもギフテッド?

もっぷ

もっぷ

>ゲストさん それは最近支援団体や障碍者の家族が言ってる方ですね。ギフテッドは贈り物の意味で狭義の意味での天才のようです。アメリカでは定義が正式にされていて研究も進んでいるようです。サバン症候群と混同されたりで自閉症との誤解や勘違いが広がってるというのも見ましたね。

うちの犬

うちの犬

アスペルガーとは書かないんやな

ゲスト

ゲスト

>もっぷさん  日常生活に支障がなくて支援を必要としていない場合、ギフテッドという言葉を必要としないですからね。