【小技】コーヒーにひとつまみの塩を入れると
コーヒーには砂糖を入れますか?それとも塩を入れますか? 「コーヒーに塩を入れるなんてありえない!」と感じる人が多いでしょう。 しかし実は、一部の地域ではコーヒーに塩を入れるのは一般的であり、コーヒーの苦味を消すためにひとつまみの塩が効果的だと言われています。 これは事実なのでしょうか? 今回はその効果について解説します。 この効果は、1997年6月5日付の科学誌『Nature』に掲載されたアメリカのモネル化学感覚研究所の論文でも報告されています。
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「コーヒーに塩を入れる」のは狂人的?それとも素晴らしいアイデア?
こんなツイートがアメリカで話題になったようです。このツイートでは「ブラックコーヒーにほんのひとつまみの塩を入れると、苦味がほとんどなくなることを常識だと思っていたけど、先日同僚に奇妙な目で見られた」といった内容が書かれています。 リプ欄では彼の同僚と同じく、彼のコーヒーの飲み方をおかしいと感じている人が多いようです。 しかし、「コーヒーに塩を入れる」こと自体は、最近考案されたアレンジレシピというわけではありません。 コーヒーの原産地であるエチオピアに昔から存在する伝統的な嗜好だったのです。
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同様に、「コーヒーに塩を入れると苦味が減る」という話も、この研究が示した「塩による苦味の低減」から事実であると考えて良いようです。 加えてコーヒーに塩を入れると、苦味だけでなく酸味も和らぐとされています。 ただ現段階では、塩がどのように苦味を抑えているのか、科学的には完全に解明されていません。 予測として考えられている理由の1つは、苦味物質と塩分が同じ味覚受容体に結合するという仮説です。 花粉症の抗ヒスタミン薬のように、塩分が苦味受容体と結合することで、苦味成分が結合することをブロックするというのがこの考えです。 また塩分の味覚自体が強いため、わずかでも苦味の刺激を覆い隠してしまうという仮説もあります。味覚の神経シグナル同士の相互作用が関係するというもっと複雑な仮説もありますが、いずれにせよはっきりしたことはわかっていません。 しかし、このレシピはエチオピア以外でも楽しまれており、同じくコーヒーの生産地であるインドでは、大量のミルクと砂糖、そしてひとつまみの塩を入れたインディアンコーヒーが飲まれています。 コーヒーを古くから親しんでいる地域では、経験的に酸味や苦味の強いコーヒーが苦手な人は、塩をひとつまみ追加することで、マイルドでやわらかい味わいを楽しめることが知られているのです。
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参考文献Why People Are Putting Salt In Their Coffee Instead Of Sugar https://www.iflscience.com/why-people-are-putting-salt-in-their-coffee-instead-of-sugar-68728
元論文Salt enhances flavour by suppressing bitterness https://www.nature.com/articles/42388
(出典 news.nicovideo.jp)
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