地球の生命誕生の元となった物質が特定される。地球外生命体を探す手がかりに | ニコニコニュース
生命の痕跡を調べる指標になる可能性
望遠鏡を覗き込んで地球外生命を探す研究者たちは、過去や現在あるいは今まさに誕生しようとしている生命の痕跡「バイオシグネチャー(生命存在指標)」を探している。 今回のニッケルバックは、まもなく誕生しようとしている生命の証拠となる最新のバイオシグネチャーとして採用されるかもしれないと、ナンダ氏は述べる。[もっと知りたい!→]地球の生命体の起源は火星にある説。そう考えるべき科学的根拠(米研究)
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彼らによれば、生命誕生のきっかけになる化学物質は、おそらくはシンプルな作りなはずだという。そうでなければ、原始のスープの中で自然に作られないからだ。 だがそれでいて、周囲のエネルギーを使って生化学的なプロセスをうながせるくらい化学的に活発でなければならない。 そうした特徴をあわせ持つ物質を探すために、ナンダ氏らは現代のタンパク質の中でも、特に代謝に関係するものを調べてみることにした。 だが、それらはごく初期の地球に存在したと考えるにはあまりにも複雑すぎることが判明。そこで、今度はタンパク質のもっと基本的な構造を探ってみることにしたのだ。 そして見出されたのがニッケルバックだった。このペプチドは、13個のアミノ酸が2個のニッケルイオンと結合してできている。 photo by iStock
生命はどのようにして誕生したのか?
彼らの想像する地球上の生命誕生のシナリオはこうだ。 地球初期に形成された海にはニッケルが豊富に存在した。それがニッケルバックに結合すると、ニッケル原子が強力な触媒となり、さらに陽子と電子を引き寄せた。 こうして水素ガスを発生。初期の地球には水素がずっと豊富にあり、これが代謝をスタートさせる重要なエネルギー源となった。 これを説明する仮説ならたくさんあるが、実験でその内容を検証しているものはあまりない。ナンダ氏によると、だからこそそれを実際にやった今回の研究は重要なのだという。 「単純なタンパク質代謝酵素が実際に存在できるだけでなく、それらが非常に安定かつ活発であることが示されました。それゆえに生命の始まりとして信憑性があるのです」 References:Scientists identify substance that may have sparked life on Earth / written by hiroching / edited by / parumo
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(出典 news.nicovideo.jp)
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