地球上でもっとも頑丈な素材。最強の合金が誕生、超低温でその威力を発揮 | ニコニコニュース
低温で最強の威力を発揮する合金「CrCoNi」
研究チームがCrCoNiとまた別の合金(CrMnFeCoNi)の開発に着手したのは、10年近く前のことだ。 これらの性能を液体窒素温度(-196度)で試すと、かなり優れた材料であることがわかった。だが、もっと過酷な条件でその性能を試すには、さらに何年も研究を続ける必要があった。 その甲斐あって、CrCoNiの性能は別格だったという。 たとえば、CrCoNiは液体ヘリウム温度(20ケルビン/-253度)付近では、500メガパスカル ルートメートルという靱性を発揮する。 参考までに言うと、シリコンの靭性は1(単位は同じ)、旅客機に使われるアルミなら約35、最高級の鋼ですら100程度だ。500という数値がどれほどのものかわかるだろう。 走査型電子顕微鏡による画像。(A) CrMnFeCoNi と (B) CrCoNi 合金の結晶構造と結晶格子の向きを示している。(C)は293ケルビン、(D)は20ケルビンでのCrCoNiの破断の例 / image credit:Robert Ritchie/Berkeley Lab宇宙の極限環境でにも耐えうる素材
CrCoNiが変形すると、「魔法の連鎖」と呼ばれる相互作用が起きる。これによって、まず延性が生まれ、次に強度を生まれる。 最初の段階では、粒でできた非常にシンプルな構造だが、変形するとこれが複雑になって、破壊に抵抗するのだそう。 その破格の性能はさまざまな用途に有効だが、開発コストがかかるために、現時点では宇宙のような極限環境での使用が有望視されるとのことだ。 この研究は『Science』(2022年12月1日付)に掲載された。 References:Say Hello to the Toughest Material on Earth - Berkeley Lab – News Center / written by hiroching / edited by / parumo 追記:(2022/12/28)本文を一部訂正して再送します。『画像・動画、SNSが見られない場合はこちら』
(出典 news.nicovideo.jp)
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