透明なカエル「グラスフロッグ」は、睡眠時に赤血球を肝臓に隠して透明度を上げていた | ニコニコニュース
肝臓に赤血球のほとんどを隠すことで透明度を上げていた
この秘密を探るべくデューク大学の生物学者カルロス・タボアダ氏らは、グラスフロッグを11匹採取し、さまざまな条件(睡眠中、覚醒中、仲間を呼ぶ、運動後、麻酔下)で体の透明度を測定してみた。 その結果、寝ているとき以外は透明度にほぼ変わりはなかった。だが寝ているときは、起きているときより34~61%も透明度が高くなるのだ。 その秘密は、赤血球の循環が減少することであるという。光学分光測定の結果では、赤血球の循環が最大89%減少することが明らかになっている。 [もっと知りたい!→]とぅるんとぅるんで透明!エビみたいな体の中央にはオレンジ色の塊。この生き物の正体は? では、減少した血液はどこへ行ったのだろう? それは肝臓だ。 睡眠中のグラスフロッグは敵に発見されないように、赤血球のほぼすべてをミラーコーティングでもされたかのような肝臓に隠してしまう。 目が覚めれば、赤血球がまた全身を巡り始めるので、普通に活動できるようになる。 起きているときと眠っているときのグラスフロッグの透明度 / image credit:Taboada et al., Science, 2022 グラスフロッグが、どうやってこんな芸当をやってのけるのか、それを自分の意思で行えるのかどうかは不明だ。 この技による内臓のダメージを防止する、何らかの特殊な代謝メカニズムがあるのかどうかもわからない。 だが睡眠中に赤血球を肝臓に隠す能力は、グラスフロッグだけのものではないそうだ。 タボアダ氏らが熱帯のアマガエル3種を調べたところ、睡眠中は赤血球の循環が12%減ることがわかったのだ。医療への応用に期待
体内の血液を9割も減少させ、何事もなかったかのように再び回復するというこの発見は、人間の医療にとっても興味深いものだ。 このようなことをやっても血栓ができないからには、血液を一か所にギュッと集めたり、また解放したりするときに、血液細胞が固まらないようにする何らかの仕掛けが隠されているはずだ。 その仕掛けを応用することができれば、血栓症や脳卒中など血液の詰まりが関係する病気の新しい治療法を考案できるかもしれない。 またグラスフロッグのこうした能力は、代謝・血流力学・血栓の研究にも洞察をもたらすとのことだ。 References:Glassfrogs conceal blood in their liver to maintain transparency | Science / Glass Frogs Turn Transparent When They Sleep... By Hiding Almost All Their Blood : ScienceAlert / written by hiroching / edited by / parumo『画像・動画、SNSが見られない場合はこちら』
(出典 news.nicovideo.jp)
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